琉球ガラスとは・・・はじまりと歴史
琉球ガラスは、沖縄で生まれた沖縄伝統のガラス工芸品です。廃瓶や廃ガラスを原料としてリサイクルされた、環境にやさしいエコなガラス工芸品。その特徴は、色鮮やかでかわいいものから、素材を生かし気泡の入ったガラスを魅力的に表現した斬新な作品まで沖縄ならではの発想と技が作り上げた歴史ある工芸品です。
その歴史は、1950年戦前の前田ガラス工場の息子・前田正男氏が沖縄ガラス製造所を設立し、さらにその後を継いだ1952年にガラス職人奥原盛栄、島袋栄松が奥原硝子製作所を設立し再開し、現在の琉球ガラスへと発展し多くの工房ができてきました。
当時の琉球ガラスは、宙吹き技法でパンチボールセット、サラダボール、ワイングラス、シャンペングラス、キャプテン瓶、カラス造花などがつくられ、米軍基地内やアメリカ本国への輸出も行われていた。
復帰後は、南国沖縄の情緒ある琉球ガラスとして親しまれ、観光土産や記念品、最近は結婚式の引き出物や 内祝いギフト 、 結婚祝いの贈り物 としても人気があります。
琉球ガラス(再生ガラス)は、厚みや気泡があるのが特徴で、素朴感や暖かみが漂い、その色彩とフォルムの豊かさが人気です。
琉球ガラス 宙吹ガラス工房 虹 (稲嶺盛吉・稲嶺盛一郎)
宙吹きガラス工房虹は、現代の名工稲嶺盛吉が1988年設立した琉球ガラス工房です。
稲嶺盛吉氏は琉球ガラスの歴史を大きく変えた、琉球泡ガラスの一人者。廃瓶を再利用して作られる琉球ガラスは、以前は不純物や化学変化等により気泡が入るものがほとんどで商品価値としては低いものでしたが、稲嶺盛吉氏はその気泡を逆転の発想で泡だらけの作品を作り上げた。そのすごい作品が琉球泡ガラス。 溶けたガラスを撹拌することによって細かい気泡ガラスを原料とした作品を世に送り出した。
泡ガラスを使った作品は、光の屈折等により細かい泡がキラキラと輝き、今でも人気の高い作品が多く作られています。 他にも、他の琉球ガラス工房とは違う作品が数多くあります。
宙吹ガラス工房虹独特のアイスカット(アイスクラック)、土紋、白雲、黒真珠等、琉球ガラスの体験にはない作品も人気です。
稲嶺 盛吉(いなみね せいきち) |
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1940年 | 那覇市寄宮に生まれる。奥原硝子工房に入り、牧港ガラス、ぎやまん館、琉球ガラス村を経て | |
1988年 | 「宙吹ガラス工房 虹」を設立 | |
1989年 | 沖展会員となる | |
1990年 | 沖縄県優秀技能賞を受賞 | |
1994年 | 11月 | 「現代の名工」を受賞 |
1998年 | 2月 | 沖縄タイムス社芸術選賞大賞を受賞 |
1999年 | 8月 | 第14回栃木県美術展、栃木県文化振興協議会会長賞受賞 |
2001年 | 9月 | 現代芸術作家、栄光賞 |
2001年 | 10月 | 聖アントニウス芸術大賞「イタリアの時・陽・風に乗せて」絵画、工芸展の(時空)に出展(ピオンビーノ市立現代芸術ギャラリー) |
2001年 | 10月 | 芸術功労賞受賞(株)アートジャーナル(東京都) |
2002年 | 1月 | アポロン大賞 |
2002年 | 4月 | 天平鐘楼賞(奈良、東大寺無限展) |
2002年 | 5月 | ストッックホルム平和貢献賞(平和展) |
2002年 | 7月 | モナコ公国・名誉賞(ディプロマ・ドヌール) (モナコ日本芸術文化展) |
2003年 | 4月 | イタリア美術賞展・工芸作品推薦部門特別出品 (ローマ/ヴィラ・ポニアトウスキー館) |
2004年 | 5月 | 第9回 OASIS2004(大阪)出品 |
2004年 | 6月 | 琉球ガラス「現代の名工」技と美三作家展(読谷村立美術館) |
2005年 | 3月 | 中国現代国際美術展 藝術功労賞 |
2005年 | 12月 | 「ほむらガラス工藝館」 開設 |
2015年 | 9月 | 第51回 琉球新報賞受賞 |
稲嶺 盛一郎(いなみね せいいちろう) |
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稲嶺盛一郎の琉球ガラス | ||
1971年 | 那覇市寄宮に生まれる。 | |
1987年 | 那覇市立石田中学校卒業 | |
1987年 | 泊高等学校定時制課程入学 | |
1987年 | 奥原硝子工房入社 | |
1991年 | 泊高等学校卒業 | |
1994年 | 奥原硝子工房退社 | |
1995年 | 宙吹ガラス工房「虹」入社 | |
1996年 | 第19回沖縄県工芸公募展(佳作) | |
1997年 | 第49回沖展(奨励賞) | |
1998年 | 第50回沖展(奨励賞) | |
1999年 | 第51回沖展(奨励賞) 沖展準会員推挙 |
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2001年 | 新生美術会員 | |
2002年 | 第54回沖展準会員賞 | |
2015年 | 「ガラス工房 絆」を設立 | |
現在は、「宙吹ガラス工房 虹」の代表 |
琉球稲嶺ガラス
琉球稲嶺ガラスは、廃瓶のガラスを人間の手で粗々しく、しかも単純に自然にうまれる色のままで、甦らせたものです。
常に新しい技法に取り組み、ガラスの造形的可能性を追及しています。
その手技と独特の感性によって廃瓶は、新たな命を吹き込まれ、美しく輝く琉球ガラスへと生まれ変わっていく・・・
琉球稲嶺ガラスの特徴(種類)と技法
透ガラス | 廃瓶ガラスを溶かし透明、色つき瓶や着色料などを使い透明感のある琉球ガラス作品 | |
泡ガラス | 世界に衝撃を与えた琉球稲嶺ガラス。琉球ガラスの難点である気泡を逆転の発想で生み出された泡ガラスの琉球ガラス作品。 | |
アイスカットガラス | ガラスの表面に無数のクラックを施す技法によって作られた作品アイスカットは、他にはない深いヒビ割れ模様が特徴で独特の魅力が引き出された琉球ガラスの作品 | |
土紋ガラス | ガラスの表面に赤土や白土を独自の技法によってつけ、石積のようなヒビ割れ模様が特徴で表面はまるで素焼きの手触りが楽しめる琉球ガラス作品 | |
黒真珠 | 廃棄されるブラウン管を利用して作られた琉球ガラス作品。透ガラスは少し緑がかった色だがブラウン管の灰色と金属が焼きついたような黄金色のぼかしが施され黒真珠のように見えることから”黒真珠”という名がついた |